内省的な自己反省

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リアコと夢女子の違いについて、それっぽく考えてみた。

「あなたは○人目のアリス」

インターネットの奥底で眠る夢小説と出会ってから、今年の夏で10年が経ちました。私は当時まだ中学生で、部活と夏期講習を終えた後、毎晩のように読んでいました。夏休み中に日付が超えるまで読むのは当たり前で、夢中になりすぎて連日夜更かしをした挙句夏風邪を引いて一週間部活を休んだのはいい思い出です。

成人し、自分の考えを言語化できるようになってからは夢小説を書く楽しさも覚えました。

私が筆を執るようになったのは一年前、そしてこのご時世がきっかけです。それよりも前は二次元→夢小説→声優→声優のバンド→2.5→ジャニヲタ→そして二次元と夢小説に出戻り・・・といった具合に、色んな界隈を覗いてきました。

そこで疑問に思ったのは、夢女子とリアコの違い。

どちらも恋愛感情に近い何かを抱いているオタクの属性であるのに、どことなく違う。

今回はこの二者の違いを、私なりに考えていきたいと思います。

 


・リアコとは

別名。リア恋。リアルに恋してる、の略だったと思います。

アイドルや俳優のオタクの間で使われることが多いですよね。逆に、二次元界隈では(少なくとも私は)あまり耳にしません。

リアコと言っても幅広いです。

例えば、ファンサをしてもらった。目が合った。顔を覚えてもらっていた。そしてときめいた。

この事象をそのオタクが「恋」だと認識すれば即ち恋、つまりリアコになるのです。

ステージと客席、アイドルとファン。立場が全然違うのに、結ばれないと分かっているのにそれでも期待してしまう。だからこそ「リアル」に「恋」している。

ファン心理では「疑似恋愛感情」と呼ばれているものですが、オタクの間ではこのときめきこそが恋!!!となるからリアコと呼ばれているのかもしれませんね。

 


もちろん、本気で付き合いたいと考えて行動を起こしている方もいます。本当に恋仲になりたいから推しに認知されたくない、コネを使ってでも連絡先が欲しい、等々。こちらはガチ恋、とも呼ばれていますね。

 


このように、リアコは「実在する人物(アイドル・俳優など)へときめきを抱く者」「ファンサなど、ファン対象との双方向的なやり取りから生まれるときめき」」と定義できそうです。

また少し逸れますが、「ファン対象の行動が”恋”だと認定した時のラベリング」を目的とした、呼称としてのリアコ、もあります。ファンサのレポで「リアコじゃん!」と感想で呼ばれることが多々あります。それはファンの頭を撫でる仕草を見せたからかもしれないし、見に来た小学生くらいの男の子へ向けたピースサインかもしれない。とにかく、目撃者が「これは恋!」と思う事象も、リアコという言葉に色付けられるのです。

 

 

 

・夢女子とは

BLを好む腐女子とは別に夢女子という属性が存在するのはご存知かと思います。

こちらは広くざっくりと言うと、二次元のキャラクターへ恋愛感情を抱く存在のことを言います。

ここでもいくつかケースを見ていきましょう。

 


・グッズを沢山集めるタイプの夢女子

缶バッジやぬいぐるみ等々、集められるものは全て集める。だって大好きな推しくんのものは全部揃えたいから!と、推しに対してまっしぐら。誕生日は祭壇を作る。シャンパンラベルもし、等身大パネルを用意する強者もいる。アイドルや俳優のファンの「推ししか勝たん!」のノリに近いかもしれませんね。

 


・創作に関わるタイプの夢女子

ここからが本番です。ここでは主に夢小説を嗜む夢女子について説明していきます。夢小説とは二次創作の中に一つのジャンルのことを指し、特定のキャラクターを相手に繰り広げられる物語のことを言います。この最大の特徴が「名前変換機能」。読者が読む前に任意の名前をフォームに入れて送信すると、物語にその名前が反映されるため、自分があたかもその世界に入ったように読めるようになります。

夢女子は良い意味で都合がいい存在なのです。なんてったって、キャラクターと恋をするためにテニス部やバスケ部のマネージャーから、最近だと呪いを祓ったり半グレの世界に片足を突っ込めたりできる訳です。作中に出てくる「わたし」の髪が長ければ、たとえ現実世界での「私」がボブヘアーだとしても「わたし」としてキャラクターとの物語を楽しむことができる。この対応力と適応力は、きっとオタク界の中でもトップレベルだと思います。

また、物語の世界への没入感が高いことも夢女子の特徴だと言えます。一度そのキャラクターや世界観を好きになってしまえば目の前に「あなた」がいる。その幻想を形にする手段として書き手になられる方もいれば、幻想を確かめたくて夢小説を読まれている方もいらっしゃるかと思います。

 


そしてこの夢小説でも最大の課題になるのが、主人公。

主人公は基本的には先ほど紹介した、名前変換のできる「わたし」。(キャラクター目線で描かれる夢小説もありますが、今回は割愛します。)

この「わたし」もいくつかのパターンに分かれるよなあ・・・となんとなく思っています。以下、私なりの分類です。

1.「わたし」=「私!!!」絶対自己投影派

2.「わたし」=「私だけど私じゃない!!!」夢小説を読む・書く時用の代わりの人格・アバター

3.「わたし」=「私じゃない他の誰か」主にキャラクターを引き立たせるために作られることの多い存在、第四の壁意識したい派

 


1は言わずもがな自己投影。1が好きな方は3の作品と相性があまりよろしくないイメージです。2は、現実の自分と夢小説を読む時の自分を完全に切り離しているタイプ。3はキャラクターと恋がしたい!というよりも単純に物語を楽しみたい人が多いイメージです。名前変換もあまり気にしないので、デフォルトネームやみょうじなまえのまま読まれる方も多いみたいです。この辺の差は色んな方の色んな作品に触れると肌で分かるようになると思います。

 


また、最近ではお題に沿った短い反応集も増えました。例を挙げると「お酒に酔った○○(作品名)男子」というテーマで書かれたキャラクター数名の反応、みたいなものです。これらの妄想は原作軸のものというよりも、「こちら側」をベースにしたテーマが多いですね。これはリアコと呼べなくもないような・・・気がします。

 


このように、一言で夢女子と言っても様々なタイプがいることが分かりました。もちろん、様々なタイプの組み合わさったハイブリッド夢女子もいます。夢女子や夢小説の生態は未だ謎に包まれていることが多いので、引き続き調査していきたいような気がしなくもないです。

 


次の記事では、今回の記事を基にSexyZoneのコンサート「POP×STEP!?」の演出の考察をしていきたいと思います。

 

そうだ、テニミュに行こう。~ミュージカルテニスの王子様 4thシーズン 青学VS不動峰を観てきた話~

そうだ、テニスに行こう。

気付けばチケットを手に握り、夏のカンカン照りの中、TDCホールへと向かっていた。

 


新型コロナウィルスによって私の趣味は大きく変わった。劇場から足は離れ二次元に出戻りし、夢小説を愛し、夢小説で(「に」ではないのがミソである)愛され、夢小説を生み出す側へと変化した。

気付けば社会人になっていて、毎日同じ時間に出社して帰宅する日々。つまらない。死ぬほどつまらない。TDCが私に囁き始めたのは、そんな時期の、梅雨の晴れ間のよく晴れた朝のこと。確かそれは土曜日の朝の出来事で、太陽と青空がひたすらに眩しかった。その眩しさと夏の気配を感じる空気は、3rd関東立海とSummer Paradise2019(SnowMan)のために水道橋に通っていた、学生時代のあの頃を想起させた。

こんなに晴れているのに、TDCに行かない夏なんて有り得るだろうか。いや、有り得ない。そして冒頭の一文に戻る。

 


前置きが長くなりました。

お久しぶりです。先日、ミュージカルテニスの王子様 4th 青学VS不動峰を観てきました。久々のテニミュ!TDC!私は3rdから入った新参者なのでシーズンの切り替わりを目の当たりにするのは初めてなのですが、結論から言うとめちゃくちゃ楽しかったです。演出等賛否はあるみたいですが、青学のジャージが真っ白な照明に照らされている姿を観れた時点で私の中でのテニミュ欲は満たされに満たされたので、感無量でした。ざっと感想を書いていくよ!

 


(※私はテニプリのコンテンツに関しては、テニミュ3rdシーズンから入った、原作よりもミュを選ぶコテコテの現場派の人間です。夢女子として原作を一番美味しく摂取できる時期を逃した哀れな女です。跡部景吾におもしれ〜女と呼ばれるか否かは別として、いち現場派の人間として感想や考察を綴っていけたらと思います。)

 


・曲

・キャスト

・演出に関して

・テニスとこれからのテニミュ

・果たしてテニミュの定義する青春とは何か

 


・曲

総入れ替えということを聞いていて、スティホさせろフワフワさせろ頑張れ負けるな必ず勝てはどこへ行った 等々未練たらたらではありましたが、なかなかに洒落ていて好きでした。さわやかというか、アイドル感?が強かったような。エレクトーンでベタ打ちしたのをフロッピーディスクに詰め込んだような絶妙なダサさから(それはそれで好きだった)、シンセサイザー打ったのをマックで操作してます!みたいな。3rrdまでは割とブラス系の音が多かったと思うんですけど、ギターメインの曲が増えたかな?多分。

それと、お馴染みコーレス曲があって。

学校名とキャラ名を大きく叫ぶことを想定した曲なんですが、この時代にこういった曲を出すのは、最早祈りに近いなあ、と。叫べない分、めちゃくちゃ手を叩いた。ミュキャスがラケットを上げながら煽るんだけど、会場の人皆それに合わせて手を上げながら叩くのを見てぐっと来ちゃったな。

 


・キャスト

[青学]

歌がうめえ!!!!!!!!!!

手塚と大石が歌うと帝劇になる。喉がしっかりと開いていて、安定感がすごい。手塚は顔がいい。カテコで素のキャストになった瞬間顔がふにゃってなったのが可愛かった。大石は歌唱力で殴るタイプ。ピッチが安定しててびっくり。黄金ペアでも菊丸のペースに順応していて、それもあってか菊丸も自由に歌えてた。これからの黄金ペアに期待しかない。ちなみに私のドンピシャ好みは不二先輩でした。可愛い顔してる一方で声が甲斐田ゆき寄り(私調べ)。ギャップよ。9代目の面影がある(※私は9代目の亡霊でもある)。不二先輩私に本性見せて♡(うちわ文字)

リョーマは小生意気な感じがいかにもリョーマ!!って感じで良かった。脚本のコンセプト的にも、最終目標が明確に見えてる子。挑戦的。強そう。

 


不動峰

これまた歌がうめ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!

16ビートがしっかり取れているから、音程が変わる瞬間も揃う揃う。どれだけ激しく動いていてもぶれない、ずれない。ハロプロか???

歌える子達なので与えられる譜面も鬼。しかしそれをそつなく歌ってしまう不動峰、ポテンシャルの塊すぎる。頼むからドリライやってくれ

 


4thまじで怖い。歌唱力でオーディションした?ってくらい出来上がってる。立石俊樹が不動峰の人数分いる。いた。

原作をさらっていないので何とも言えないのだけど、彼ら一人一人のキャラをもう少し掘り下げるとまではいかなくても、日替わりネタとかでもっと人となりを見たかったな、チムライかチムパ待ってる、まじで。

 


・演出に関して

まずセットが大幅に変わってました。ネットはどこへ行った...?イメージとしては、ハイステに少し近いかも。投影が若干増えてました。

照明。これもかなり凝っていて、常にどこかしらがキラキラしている状態。

それと大きな違いとしては、試合中の打球音がSEのテンポに乗って鳴る/SEに合わせてラケットを振る動作が著しく減った・デフォルトではなくなったこと。ハイステ同様、試合をやってるのを見ている...という感じ。演劇の要素が強まったかも。

それと脚本に関してなのですが、原作ちゃんと読んでなくてごめんなんだけど、昨今の部活事情とかを考えると不動峰の暴力沙汰とか、仮にこれからもテニミュが続いていくとしたらどうなるんだろう、時代に合わせた描写って求められるよな、と思いました(勿論、私が知らないだけで暴力が蔓延る部活はまだあるのかもしれないけれど)。ここは比嘉戦で様子見したい。

 

 

 

・テニスとこれからの2.5次元

今作ではとにかく「テニス界の未来を担う」というニュアンスの言葉が、月刊プロテニス(雑誌)の編集者によって紡がれる。この編集者のキャストは初代の橘桔平のキャストなんだけど、かつてテニミュに出ていた役者がこれからの話をするっていうのが大きいな、と。これからのテニス界=テニミュでもあるんだろうな、と。テニスをする中学生の成長とキャストの成長の二重の成長を楽しむのがテニミュの醍醐味でもあるけれど、そういう二重の構成を作るのが上手いよな〜って思いました。

 


・果たしてテニミュの定義する青春とは何か

テニミュとは青春体感ミュージカルである。では、この青春とは何なのだろう。私もよく分かってないです。

これのヒントがテニミュボーイズなのかなあ、と。テニミュボーイズとは、(言葉を選ばずに言うと)いわゆるレギュラー候補外の子達のこと。レギュラーに選ばれない腹いせなのか、1年生を生意気だとか言いがかりをつけてちょっとしたいやがらせをする。ただ、そこには「選ばれなかった者としての彼ら」としての描写は存在しない。悔しさとか、情けなさとか、嫉妬とか、憎悪とか、そういう気配を一切感じさせない。あくまでも一人の部員として、舞台の上に存在する。他の部員も、怪我や暴力など、オーバーな描写はあっても部活特有のどろどろとした面は見せず、ひたすらにスポ根を貫いている。この突き抜けた類のスポ根が、テニミュの定義する青春なのだろうと、私は思います。

「選ばれた者」「そうでない者」に関してはハイキューで泣くほど体感したのですが、その話はまたいつか。

 


とにかく、久々の現場ということもあって楽しかったです!青学の女と化してTDCを後にした訳ですが、今からもう卒業に怯えているよ。ほら、今まで立海の女として焦らされつつも最後まで見届けられた立場だったからさ..............

推しは推せる時に推そうね。

 

 

 

おしまい!

会えるのなら、また会いたい――One Last Kiss  考察と解釈

 

こんばんは。先日ついに念願のシン・エヴァンゲリオン劇場版を観てきました。エヴァは私のオタクの原点の一つであるので、正直終わってしまって寂しい。いろいろと思うことはあるけれど!!!今回は主題歌を紐解いていきます。
それというのも今回の映画、あまりにもマリがダークホースで。マリの夢女になって劇場を後にしてから主題歌を聴いたらあまりにもマリの視点での曲だったので、マリ視点で考察・解釈していきます。百合夢女の強めの幻覚、ネタバレ&貞本エヴァ(漫画版)に触れてます。

 

”初めてのルーブルは なんてことはなかったわ”
口調が女性詞であることからあれ?と。貞本エヴァ14巻のマリのエピソードを読んでほぼ確信しました。これは女→女の視点でも読める、と。ルーブル美術館があるのはパリ、冒頭マリが戦っていたのもパリです。そこでルーブルに寄ったのかな、それがきっかけで何かを思い出したのかもしれません。

”私だけのモナリザ もうとっくに出会ってたから”
モナリザ はマリにとってのユイなんですね。一等ものの美術品を目の前にしてもなお揺らぐことのないマリの中のユイ。どれだけマリのことを魅了したのでしょうか。

”初めてあなたを見た あの日動き出した歯車 止められない喪失の予感”
16歳で飛び級京都大学に入学したマリ。エリート街道まっしぐらで、向かうところ敵無し状態だったと考えられます。そんな中で出会ったユイ。
マリ曰く「かわいい」「頭脳明晰」「優しすぎる」「すべてが憎らしい」。どう足掻いても適わない。
マリにとっての挫折のきっかけであるかもしれない一方で、止まらないユイへの劣情。憧れなのか、執着なのか。そこにあるのは天才・マリではなく、等身大の16歳のマリ。ユイとの出会いがきっかけで、動き出した彼女の青春。

”もういっぱいあるけど もう一つ増やしましょう
(Can you give me one last kiss?)
忘れたくないこと”
大学ではユイ・キョウコ・マリで結構一緒に動いてた…のかな?きっと様々な出来事があって、全部忘れられない出来事だったのでしょう。
Can you~?のくだりは、映画内でのアスカとの距離感から考えるに、そのような関係を求めていたのではないのでしょうか。

"Oh oh oh…
忘れたくないこと
I love you more than you’ll ever know”

ここでも「忘れたくないこと」が出てきます。サビの一部ですし、相当重要なメッセージであることが伺えます。
英文を訳します。you’ll ever knowは「とっても、ものすごく」を意味します。
つまり、「私はものすごくあなたを愛しています」になりますね。
「忘れくないこと/私はものすごくあなたを愛しています」
ここが後に重要になっていきます。

2番のAメロに進みましょう。

”「写真は苦手なんだ」 でもそんなものはいらないわ
あなたが焼きついたまま 私の心のプロジェクター
誰かを求めることは 即ち傷付くことだった”

「写真は苦手なんだ」マリ達の間で写真が苦手そうなのは誰だろうと考えた時に、真っ先に思い浮かんだのがゲンドウ。ユイとゲンドウが並んで写真を撮ってンもらっているところをマリが見ている、という図を連想しました。
二人が写っている写真なんていらない。だってあたしの心にあなたの姿は焼きついているもの。そう寂しくないふりをするのは、マリの強がりでしょうか。
誰かを~は、映画でゲンドウも言及していましたね。ゲンドウもマリも、傷付くことを知ったきっかけはユイ。彼らにとってのユイはただならぬ存在。

"Oh, can you give me one last kiss?
燃えるようなキスをしよう
忘れたくても忘れられないほど”

2サビです。ここで1サビの「忘れたくないこと」の答えが出てきます。
「燃えるようなキスをし」たい、という本性が見えてきました。
「忘れたい」、「忘れる」という”事象”に対する否定の願望・意思を「忘れられない」、「忘れる」という”能力”に対する不可能を用いて否定していきます。つまり、「したくない」ではなく「できない」領域に達するほどのキスがしたい。そう読み取ることができます。ユイとゲンドウの関係を分かっていても。背徳的ですね。映画を見ても思ったけれど、マリはそういう距離の詰め方がうまい。
忘れたくない(1サビ)。だから、忘れることができないほどのキスがしたい(2サビ)。彼女の切実な思いが表れています。そしてその直後に再度"I love you more than you’ll ever know”。

”もう分かっているよ この世の終わりでも 年をとっても 忘れられない人”

この世の終わりはサードでしょうか。今度こそマリ達の命が危ない。
年をとっても、ではマリは映画の中では(漫画の時間軸と合わせると)不老であることが考えられます。季節は巡る。でも見た目は老いてない。一説によると彼女も使徒であると言われていますが、そうであるにしろないにしろ、見た目はユイに言われた「女子高生みたい」のまま。だからこそ、余計にあの人のことが忘れられない。それが世界が終わろうと、年齢を重ねようとも。

"Oh oh oh…
忘れられない人
Oh oh oh…
I love you more than you'll ever know"

「忘れられないこと」から「忘れられない人」に変わっています。
「もう分かっているよ」というのは、もう二度と会えないことを分かっている、ということでしょうか。二度と会えない。だから「忘れられないこと」ができないのも分かっている。もう二度と会えない人のことを歌った曲であると言えます。

”吹いていった風の後を 追いかけた 眩しい午後”
マリにとって、いやゲンドウを含む関係者にとってユイは嵐のような存在であったと考えられます。ユイを失った後にゲンドウがあんな計画を初めてしまうくらいには、マリが上記の気持ちを抱くくらいには、色んな人の心を良くも悪くもかき乱した。そんな彼女の面影が残る二人の子――シンジくんの後をついていくマリの姿が、私には見えました。


【結局、マリは何者だったのか】
マリは私の中では「マグダラのマリア」と解釈しています。ざっくり言うと、イエスを産んだ聖母マリアと違ってイエスが神になってから初めて会った人間、証人 みたいな存在です。映画でもシンジくんが解放されてから初めて会ったのはマリでした。そう考えるとユイは聖母マリアにあたりますね。にしても最後の最後に謎を残す女、好きしかない。

そんなわけで!!!私の考察と解釈は以上です。エヴァ宇多田ヒカルも、毎回沢山の解釈の幅を与えてくれるので本当に楽しい…いや楽しかったです。でもきっとこれからも人生の色んなところでエヴァの解釈を深めていくんじゃないかな。物心ついた頃から好きなアニメです、そう簡単に抜け出せそうにありませんね。
学生生活の終わりという節目にこの作品の完結を見届けることができてよかった。ありがとう、そしておめでとう。庵野監督をはじめとする関係者に最大の拍手と敬意を。


参考文献
新世紀エヴァンゲリオン(14) 貞本義行・カラー 角川コミックス・エース

魔法が解ける音がした

 

卒論があるからこんなことを書いている場合ではないのは重々承知である。だけどどうしても心の整理を付けたいから、日記のように殴り書きをしたいと思う。

 

追っかけを、辞めようと思う。理由は色々とある。コロナで現場がなくなったこととか。私は案外アイドルだとか推しとかそこまで重要ではなかったのかもしれない。とにかくおしゃれして非日常な空間に足を運ぶ行為そのものに魅力を感じていたのかもしれない。

 

オタクをする界隈を変えてから、様々な立場の方とお話する機会が一段と増えた。そこで冷静に自分の将来を考えた時に10年後の自分は追っかけをしているのか?という疑問に即答でイエスを言えなかった。今も言えない。私はとにかく飽き性だ。すぐに新しい世界を見たがるし、自分でも予想のつかない方向に衝動のままに動くことだってある。そして私は気付いてしまった。「手の届かない誰かに一方的な思いを馳せることよりも、身近な誰かと愛し愛される関係を、私は求めている」

 

以外だった。この事実は創作をしながら見つけた感情だった。私は恋愛経験がない。そんな自分を急に恥じるようになって、今までのオタク人生も全て否定するようになった。あんなに楽しかったはずなのに。両極端で嫌になるなあ。

 

 

バチェロレッテを見た。バイト先の人と感想を語り合った。私は萌子さんのような人を格好いいと思ったけれど、バイト先の人は我が強いだのわがままだと言いたい放題だった。なるほどそんなものの見方もあるのか。立場を弁えずに言ってしまえば、だから私も恋愛や結婚ができないのかもしれないと思った。私も頑固で我が強いから。そうか。恋愛をするためには他者と協同すること、譲ることを身に付けなければならない。急に自分のいままでの振る舞いが子どものように見えてしまって、これまたそんな自分を恥じた。

 

 

今まで美しいと思えたものが美しいと思えなくなった。きっと今私の中では大幅な価値観の総入れ替えを行っているのだろうけれど。だけどいつまで経っても子供じゃいられないし。大人になるというのはきっとこのことを言うのだろう。

 

ほんの2,3年だったけれど、とても楽しい夢のような時間でした。ガラスの靴も王子様も、自分の手で掴み取る。そのためのさよならを、今。

 

 

【21卒】ジャニヲタお休みして夢向け字書きに転身したオタクの就活記

こんにちは!!!!

 

先日、ついに内々定をいただきました!!!!

コロナ禍での就活、探り探りでしたがどうにかくぐり抜けてきました。

現場がなくなってジャニヲタとしてというよりは、夢女子に出戻りしてしまったので、字書きの就活の記録として、認めます。

界隈はあえてぼかします。分かる人はすぐ分かっちゃうけど。

 

 

※あくまでも私の体験記です。エンタメの一種として、自己責任でご覧ください。

※就活は計画的に

  

【基本スペック】

・都内女子大

・浪人してた

・バイトはコールセンター勤務。

・高校までアニメと声優のオタク・夢女子→浪人時全て封印→大学1年で舞台俳優の追っかけ→大学2~3年で突然のジャニヲタ開花→大学4年でコロナにより某球技漫画にて二次元出戻り・字書きデビュー。

・春から総合職(営業)

 

 

【大まかな流れ】

 

・大学3年生

2019年~11月 現場とバイト漬け(何もしてない)

2019年12月 ワンデーインターン2社。某エージェントと接触開始。

2020年1月 自己分析開始

2020年2月 出版社にES出す

2020年3月 解禁。と同時にコロナで計画倒れ。筆者は摂食障害(非嘔吐過食)を自覚。現場がなくなる。生きる意味とは・・・。30社以上エントリー。

 

・大学4年生

2020年4月 テストセンターと面接で撃沈

2020年5月 就活放棄してネトフリ三昧。10社くらいエントリー。

2020年6月 某漫画・アニメにはまる

2020年7月 毎日死にたい期。にっちもさっちも行かず新卒応援ハロワに行く。某球技漫画の夢小説にはまる。字書きデビュー。事務職メインに10社エントリー。

2020年8月 就活もそこそこに夢小説を書くことに命を懸けていた時期。これが私にとっての転機。3社エントリー。

2020年9月 内々定

 

 

・・・という具合に、遊びながら、だらだらと就活しておりました。あと私の就活が長引いた原因として、軽度の摂食障害があります。過度の糖質制限で頭が回ってなかったり、痩せるか太るかでしか物事を考えられなくなって、就活を進める上で厄介になっていたと思います。3月に「太ってでも直す!!」という決意のもと、ちゃんと食べてしっかり休んで楽しいことをしながら克服して、頭が回るようになって本来の自分を売り出せるようになってから上手く行った感じです。ちょうど半年かかりました。状況が特殊すぎて参考にならなくてごめんな…

 

 

もう少し時期別に深く掘り下げましょうか。

 

【2019年~11月】

みんながインターンとか少しずつ就活を始めている間、私はSexyZoneの遠征に宮城と大阪に行ったりスノトラなにわの合同コンに行ったり、夏の水道橋に行ったりと大忙しでした。人生初の歌舞伎も行った〜!シンプルに楽しかったです。
今年私がのろのろと就活を続けられたのは、皮肉にもコンサートがなくなってしまったからっていうのもあるかもしれない...例年通りだったら追い詰めまくっててメンタル死んでました。
 
 
 
 

【2019年12月~2020年1月】

インスタで周りがインターン行ってきた!という趣旨のストーリーがかなーり目立った時期。とりあえず金融のワンデーを2社ほど。どちらもグループワーク云々とかで正直面倒だった。時間の無駄。グループワークめんどいなぁ自分で進めた方が楽だなぁって思ってしまうタイプは新規営業向きだと思います。

就活をどう進めればいいのか分からず、利用し始めたのがエージェント。R社のを使ってました。自己分析のお手伝いや添削とかしてくれるけど、向こうも商売でやっているので少しビジネス臭がします。あと紹介される会社にあまり魅力を感じられず…。就活の相談は大学のキャリア課に相談するのが吉。あそこはエゴのないアドバイスをくれるので。私ももう少し早く使っていれば…と後悔しています。結局7月8月は大学のキャリア課に電話でお世話になりっぱなしでした。

 

【2020年2月】

最初はエンタメとかマスコミに興味があったので、K社とS社のESを書きました。出版業界は早いので要注意。ちなみに私はこのとき初めてワンピースがジャンプで連載されていることを知りました。非国民?

びびりなので書類選考の結果を見ることなく終了。自己満でした。

 

 

【2020年3~4月】

いわゆる就活解禁。しかしコロナで合説が消滅。ついでにずっと楽しみにしていたなにわ男子の東京公演とSnowManのデビューコンが消えて生きる意味を失うなどしました。オンラインで探り探り説明会や面接を始めたのもこの時期。

エントリーした会社は、IT業界に絞ってました。エージェントと自己分析をしながら、SE向きだと言われ、営業はしたくない、でもお金が欲しい、ならSEっしょ!!!という安易な理由でした。これがも~~~~~~~~本っっっっ当に痛恨のミス。だって私数学できないし。ぶっちゃけた話、ITにあまり興味はなかった…。業界はあまり絞らない方が良いです。受けていくうちに、自分の向き不向きって分かっていくものだから!!!

てな訳でWEBテストやいきなり一時面接が行われた会社では撃沈でした。WEBテストの対策はちゃんとやろう。

 

【2020年5~6月】

3月4月ですでに燃え尽きて就活を一旦放棄してネトフリ三昧しておりました。緊急事態宣言とかもあってとにかくピリピリしていた時期ということもあり、何も手がつかない状況。周りは最終選考が云々とか言ってたけど全っっっ然気にしてなかったです。

そんな時に出会ったのが「ユーリ!!!on ICE」。高校卒業してから一切アニメは見てなかったけど、時間有り余ってるしいっか~とか言いながら4年ぶりにアニメを見て、私号泣。ユーリはいいぞ。勇利くんのフリーの曲にはまりすぎて楽譜を取り寄せてずっっっっとピアノ弾いてました。本当にこの時期は何もやってないです。強いて言うならITやめてメーカーや商社の事務職にしよ!!って方向転換をしたくらい。でも事務職は採用数少ないからリスキーなので、総合職と並行しながら受けていこうな!!!!

某球技アニメにはまったのもこの時期です。1期~4期全部見た。だって面白いんだもん。この時期に思い切ってサボったのが良かったのかもしれない…。ジャニーズはどうしたかというと、現場に行けなければ意味がない!!というスタンスなのでこの時から今までほぼ引退状態です。コンサート行きたい。

 

【2020年7月】

引き続きのらりくらり就活続行。なんとこの期に及んで就活しつつバイトも並行してました。顔が死んでくる。止まらない死人オーラ。通らない書類と一次選考。母親からもかなり酷い言葉で罵られ(普通に〇ねとか言われてた)、デッドオアアライブな毎日でした。ずっと黙っていた父親も流石に心配していたようで、「就活どうしてんの?」と聞かれ、自分の中でプチンと切れて号泣かました7月2週目の火曜日。その日は午前中に新卒応援ハローワークに行く予定だったのに、朝から親とそんなやりとりをしていたせいで号泣しながら新宿を歩くメンヘラになっちまったじゃないか。コップの水が溢れてしまってからでは遅いとはまさにこのこと。

もう本当に涙が止まらなくて、だらだらとマイペースで就活を進めていた自分でも気付かないうちに追い詰められていたんだなあ、と。あと就活の費用もバイトして自分でやりくりしようと思っていたけど、さすがに限界だったのでバイトもお休みを頂きました。就活はお金がかかります。貯金は計画的に。

 

それと、追い詰められていたときの症状として、

「毎朝、目が覚めると自分がキャラに抱かれている図が降ってくる」「思考と関係なく推しの声が聞こえる、勝手に会話している」というのがありました。5日くらい続いたかな?毎朝抱かれてた。なんなら抱かれるために頑張ろうとか本気で思ってた。まじで。人間、本気でメンタルが追い詰められると食欲でも睡眠欲でもなく、性欲に訴えてきます。特にこの界隈ではそういう妄想をする方が多いと思うんですが、特に就活中に脳内が常にそんな感じになったら一旦逃げましょう。休みましょう。壊れてからじゃ遅い。

 

新卒応援ハローワークに行ったこと、某漫画の最終話を読んだことも転機でした。新卒ハロワのおじさん(キャリアカウンセラー)と自己PRの練り直しを行ったんですが、新たな自己PRとして使い始めたのが、4歳から続けているピアノ。私は音大に行けるほどの実力もなければ最近は全然発表会すら出られていない状況なのですが、なぜかずっと続けられた趣味・特技の1つでした。ピアノに関連して、高校の音楽系の部活でたくさん挫折してきて、こんなの自己PRにならないよ!!なんて思ってたんですが、某漫画を読んでから自分の人生を全肯定されて、自信を持って自己PRのエピソードに昇華できました。挫折経験も思い切って音楽経験のことを話すようにしました。某漫画に出ている子たちの人生がその競技で彩られているのならば、私の人生を彩るのは音楽。そのことに気付いてから、面接でも臆せず話せるようになりました。

 

夢小説をこっそり投稿するようになったのもこの時期。遊んでばっかりだな本当に。

 

【2020年8~9月】

前半は、ひたすら夢小説を書いていた記憶しかないな…???名だたる書き手さんと繋がって、お話するようにもなりました。みんな優しい…。本当にいつもありがとうございます。夢小説を書くことが自己分析に繋がって、これが就活再出発のきっかけでした。とあるキャラの夢小説で、夢主ちゃんを自分の理想の女性像にして書いてみたのが大きかったと思います。バリバリのキャリアウーマンで、しっかりおしゃれして、恋人との関係も良好、的な。そうなるには営業職になるしかないんですよね!!!あれだけ営業やりたくないってダダこねてたのに!!!!!でも自分で夢小説を書きながら、自分の作品に対する絶対的な自信、自分の作品が評価されることの嬉しさ(もちろん評価されることが全てではないけれど、仕事や勉強に置き換えたらモチベーションに繋がることに気付きました)、等々字書きとしての在り方的に営業も向いているのでは…?となって思い切って営業職として就活を再スタートしました。新しくやり取りを始めたM社のエージェント曰く、承認欲求強めな人は営業に向いているらしいです。思えば私は幼少期から目立ちたがり屋で、ピアノを続けられたのも1人で目立ちたかったからかもしれない…。あとずっと事務職やSEで選考に参加して良い結果が出なくて、もういっそ営業として会社で思い切って動いたろ!!!って振り切れたのも大きい。

 

それと!!!自分の考えや感性、センスが、夢小説を通して誰かに認められることがとても嬉しくて、自分に自信を取り戻すことができました。今まで「誰も分かってくれないし」とコミュニケーションそのものを放棄したり、「これ言ったら嫌われるんじゃないかな」と考えておどおどしながら人と会話していたのですが、この界隈の書き手さん・読み手さんからいいねや感想をいただけるようになってから、おおげさかもしれないけれど、私も生きてていいんだ…となって、堂々と人前で話せるようになりました。

摂食障害が治りつつあったことも含め、本来の自分を取り戻して営業職志望で就活を再スタートしたら、なんと1社目で内々定を頂きました…!!!私もびっくりです。でも自分の中で納得のいく進路なので、結果オーライです!!!

 

 

以上が、私の就活記です。

現場がなくなってしまって絶望しかない中で、間違いなく、某球技漫画と夢小説に救われた就活でした。某漫画を読んでから、改めて自己分析して強みを発見できました。夢小説の中で、可愛い大好き愛してると言われ続け、自己肯定感が爆上がりの状況で臨めたこともあって、選考中も堂々としたオーラを出せたと思います。

仕事はきっと大変だし、不安もいっぱいあるけれど、”その瞬間”が来るまでは、頑張ってみたい。そう思えるのも、某漫画のお陰です。

 

 

 

【最後に】

肩ジャージのあなたへ

7月中、毎日死にそうだった私に、寝る前に「かわええな」って言ってくれてありがとう。

第一志望の会社の選考の準備をサボりたくなったときに、ちゃんとやんねんって言ってくれてありがとう。当たり前のことを当たり前にやったら、ちゃんと通ったよ。社会人になってからも続けるね。

 

地球の裏側で頑張っているあなたへ

私が7月を生き延びることができたのは、あなたが7月生まれだからだよ!!!あなたの誕生月を命日に選ぶなんてできないよ。私も7月生まれだけど!!!肩ジャージの子もだけど!!!あなたのことが気になって20日まで生き延びちゃったじゃん。

最終選考の朝、信じてるよって言いながら私の背中を押してくれたあなたの手の感触、絶対に忘れない。

 

寝癖に特徴があるあなたへ

「女で営業職なんて、モテないよねぇ。」なーんて私が愚痴をこぼしたときに、「俺以外にモテてどーすんの」って真剣な眼差しで言ったあの夜のこと、今でも覚えているよ。昼間はバリバリ働くけど、あなたと一緒にいるときは、女の子になってもいいかな。とびっきりのおしゃれをして、あなたに会いに行くよ。あなたの前では、お姫様でいたいから。

 

 

 

最後の最後にバチバチの自己投影夢女ぶちかましてごめんね!!!!!でもこの数か月間ずっとこうして乗り越えてきたんだ…。そういえばなかなかハードだった高校受験もこうして乗り越えてきたような。三つ子の魂百まで。

 

 

 

残すは卒論ですね。かんばりましょう。あーーーーー舞台楽しみ!!!!!!!!アニメも始まるね!!!!

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。就活も、今からちゃんと始めれば、きっといい結果が出ます!!!

これを読んだあなたの就活が、上手くいきますように!

 

 

 

【完】

 

月島蛍に思いを馳せる-ハイキューを観て-

※2020年9月27日 加筆修正

 

最近はハイキューにはまっている。ハイキューとは、高校のバレー部を舞台にした部活青春ものの漫画及びアニメのことだ。

友情・努力・勝利をコンセプトに掲げる週刊少年ジャンプを毛嫌いしていた私がまさかこんなにも王道な作品にはまるなんて。

白鳥沢戦まで一気に見て、これまたジャンプをこよなく愛する弟にドン引きされた。

 

その中でも月島蛍に思いを馳せずにはいられなかった。

 

月島蛍。烏野高校1年でチーム内1の長身。いつも騒がしい日向と影山、西谷と田中達を後ろから一歩引いたところで見ている..ように私には見えた。

地頭は良い。バレーは小学生のときからやっているからきっとセンスはある。

だけど、いつもどこか諦めているし、居残り練習もしない。「たかが部活」が口癖。

 

昔の私とそっくりだった。月島くんに対して自己投影するのは非常に申し訳ないが、ここで私の昔話にお付き合い願いたい。

 

私は高校の時にとある音楽系の部活に入部した。毎年全国大会に出るような強豪校だった。

幼少期からピアノを習っていたり、小学校では高校の部活でやっていたもの、中学では吹奏楽をやっていたりしたため音楽のセンスは普通の人よりはあったはずだ。

音楽に関わるものでは何でも「エース」のような存在だった。そして何よりも楽しかった。

 

しかし高校ではうまく行かなかった。私よりも断然上手い子が山ほどいた。

選抜メンバーで出る大会の校内のオーディションも悉く落ちた。

どれだけ練習しても上手くなれなかった。部活がつまらなくて苦痛だった。夏からの大会は全員舞台に乗れるけれど、私が立っていたって意味ないじゃん、とかなり冷めていた。

人生で初めての挫折だった。

そこからはまるで駄目だった。譜読みはできるだからそつなくこなす。

みんなが居残り練習する中さっさと帰る。

同期がワーワー楽しそうにしているのを横目に隅で冷めた目で見る私。最低だった。

楽しかったものが楽しくなくなる辛さや練習してもうまく行かないもどかしさももちろんあったが、一番辛かったのはクラス内の友人からの「〇〇部なんだよね!?頑張って!」という応援の声だった。

みんなには私がヒーローだかなんだかに見えるのかもしれないけれど

違う、そうじゃない、私は何もできない部員だよ、という言葉をぐっと飲みこんだ。自分のことを否定したかったけれど、そんなことをしてしまったら友人を裏切ってしまうから。

だから、月島蛍の気持ちも彼の兄である月島明光の気持ちもどちらも分かる。

光明くんはきっと一生懸命練習して、そこの部分は私と大幅に違うけれど、弟を裏切ってしまうから嘘を吐いたことは多分近い。

そして努力したって無駄、たかが部活 という月島蛍の価値観や彼の行動源泉と限りなく近いものが私にはあった。

 

そんな彼が奇跡を起こした。

「月の輪」のエピソードだ。

春高バレー出場をかけた決勝戦。相手はユースのアタッカーである牛島率いる強豪の白鳥沢学園高校。月島くんは持ち前の冷静さで頭脳を使い、試合中に試行錯誤を繰り返しながら、ついに牛島のスパイクをドシャットした。この時初めて彼は喜びを叫んで表現した。

彼がバレーに「ハマった」瞬間だった。

 

彼が変わるきっかけは大会前の合宿だった。

音駒の黒尾、梟谷の木兎、赤葦との自主練で、木兎は月島くんに「その瞬間が来たら それがお前がバレーに ハマる瞬間だ」と言った。この言葉はきっと月島の頭の片隅にずっとあったのだろう。

 

月島くんに対してエゴのない言葉をかけてくれる存在がいること、練習に自然と巻き込んでくれる仲間がいることは、彼にとって救いだっただろう。

そして彼のことを見捨てず信じてくれた烏野のメンバーや兄の存在も。

もうこれを考えただけで涙が出てくる。そして何よりも自分に対して諦めなかった月島くん。

熱血タイプのメンバーが多い中で、冷静に、着実に才能の牙を剥く月島が、本当に格好よくて。

月島くんの口から「まだコートにいたい」という言葉が出た時には自分事のように嬉しかった。

 

彼を見たことによって、部活をやりきれなかった己の地縛霊が解放される感覚を得たのだ。

 

私は部活で扱ったものの「ハマった」瞬間を知らないまま引退してしまった。未だに分からない。多分一生分からないまま死ぬのだろう。

 

私は部活に関しては諦めて完全に外部との接触を断ってしまったが、私ももしかしたら出会いによって変われる瞬間はあったのかもしれない、と考えてしまった。他力本願な時点で変われないけれど。だから動くしかないのだと、今の私には分かる。

 

 

そして明光くんの

「高校であんなだったからだよ」

という言葉にも酷いほど救われた。高校で音楽を思う存分にやりきれなかった。だけど楽しさを知ってしまっている。ならばやり切ったと思うまでやればいい。

そうか、そんな生き方もあるのか。目から鱗で、じゃあ私も原点であるピアノを再開しよう...となって今に至る。 別の記事にも書いたけれど、この発想の転換のお陰でこの挫折を挫折と認めることができて、立ち直れて、就活の自己PRに昇華できた。わたしは月島兄弟に、ハイキューに救われすぎている。

 

私は少年漫画が苦手だった。特にスポーツもの。

こんなことあるわけないじゃん、青春なんてこんな甘くない、という印象を抱いてしまうからだ。

しかし私は今、ハイキューと言う名の青春ファンタジーに、どうしようもなく救われている。

 

一つ一つの出会いを大切にすることによって、自分の中の何かが変わるかもしれない。集団で何かをすることが楽しくなるかもしれない。社会に対して薄氷のような期待を胸に込め、今日を生きる。

 

 

 

 

余談

実は私は小学生のときにジュニアバレーをやっていたのだが、背番号が月島くんと同じで運命を感じてしまった。

そしてピンサー経験者でもあるので月島くんが山口くんに対して言う「ナイサー1本」がどうしようもなく好きだった。緊張する場面での信頼しているメンバーからの掛け声ってね、安心するんだよ。山口くんのためにボールを繋げる月島、アツすぎる。

 

あと対戦相手校である白鳥沢学園にはこれまた私の感情を掻き乱す男・白布賢二郎がいるので、彼もまたいつか触れたいところ。

 

 

 

 

おしまい

 

オタク、摂食障害(非嘔吐過食)を自覚する

 

※病院での診断は受けてませんが非嘔吐過食、ダイエット依存症の傾向があるオタクの話です。回復の方法は個人によって異なるので、ご自身に合った方法を見つけてくださいますようお願い致します。

 

 

その昔、私はクソデブ二次元オタクだった。

しかし BL、やおい と言われるものやその手の二次創作が苦手だった。

私が高校生の時、学校でもTwitterでも周りは公式や原作の解釈もスルーでとりあえずくっつけとこ、みたいな風潮があった。

公式も病気なんじゃねぇか、みたいな作品が豊作な時期でもあった。

私は旬ジャンルに飛び込むよりも、自分の好きな作品を原作に忠実に深堀するタイプ かつ 百合とNLを好むオタクだったので、その波に乗れなかった。

その劣等感と、「腐女子になったらさらに太る」という謎の偏見で、BLチックな作品や二次創作には一切手を付けなかった。

さらに、アニメオタクと声優オタクをこじらせて受験失敗&激太り、という経験をしたのでアニメを見るという趣味も封印した。

大学生になった。

高校生の二の舞にはなるまい、とアニオタの道には行かず、若手俳優のオタクとジャニヲタへと化けた。完全にリアコ寄りの人間になった。

若手俳優もジャニーズのアイドルも、生身の人間が相手だ。太ることは許されない。痩せていれば、可愛くなれば、ファンサだってもらえる。それに、それを口実にダイエットだって頑張れる。「あなた(アイドル)」と「わたし(ファン)」の関係性が、心地よかった。

ダイエットして、可愛い服を着て、髪を染めて、ネイルをして、好きな異性からファンサを貰う。貰えなくても、友達と楽しい思い出を作れる。

だけど、それも長く続かなかった。現場前のダイエットの反動による過食とリバウンド。ムキになってさらに現場の予定を入れてまたダイエット。

こんなんじゃ、現場に入れない。担当から、ファンサが貰えない。「あなた」と「わたし」の関係が、私の首を締めた。

効果があるのかも分からないエステに課金した。過食を治すためという名目で怪しいスピリチュアルにも課金した。エステへの課金の他にもチケットやオタク用のお金を稼ぐ為に働きまくった。疲れて、疲れて疲れてプツンと切れて、過食して。止まらない自己嫌悪。苦しかった。

非嘔吐過食が基本だったけど、後輩が誘ってくれたSixTONESのコンサートの数日前にも過食が止まらなくて、担当がいない現場なのに太った状態で入りたくなくて、無理やり酒を煽って全部吐いた。今思えば何やってたんだろうってなるけど、当時はこれで安心して現場入れる!ってルンルンだったから恐ろしい。

何を食べるにしても、トレーニングをするにしても、「担当の目」「オタクの目」に監視されているようで、辛かった。

そんな私に転機がやってきた。

コロナによる現場の延期。

現場がなくなってしまうのは悲しかったが、現場に合わせて無理やりダイエットしなくてもいい、好きなものを食べてもいい、という安堵感があった。

摂食障害を治すためにはまずは太ってでもちゃんと食べることが大事だと学んでからは、

過度な糖質制限をやめて、3食プラスおやつ。これを続けた。現場もない、バイトも学校もない、人目に晒されずに済むから安心して太れる。このお陰で3月からしっかりご飯が食べられるようになった。

それと、現場がない分の暇つぶしに、アニメを見始めた。あれだけアニオタには戻らないと言いつつ、暇を持て余すと食べてしまいそうなので、面白そうな作品を見た。

前回の記事に書いた作品にどハマりした。(この記事では敢えて伏せます)

その作品に使われているピアノ曲に感動して、楽譜をダウンロードして弾いた。すごく楽しかった。

ちゃんとご飯を食べるようになってから7キロ近く太ったけれど、太ってもピアノがあれば生きていける!というくらいにはピアノが楽しかった。練習が楽しくて、食べることや太ることに対する興味が圧倒的に薄れた。痩せていることが全てではない、と体感できるようになった。

それと、そのアニメの特性にも救われた。その作品は、(腐向けかどうかは置いておいて)腐向けとも揶揄されるくらい露骨な描写が目立ったが、夢女子(≒リアコ)として自分が介入できないシステムに救われた。あと単純にストーリーが尊い。笑。

推しと推しだけで完結される世界。自分が一切入らない世界。BLにはまったら太る、という謎の偏見は、推しからの視線が全くない世界に身を置くことになるから女が磨かれなくなるのではないか、という恐怖が原因だったと思う。

だけど私の場合は、自分の容姿を気にするあまり心身共にボロボロになっていたので、BLやブロマンスのような「あの子」と「あの子」の世界に思いを巡らせたほうが幸せになれるのかもしれないということに気づいた。

実際、その作品の他にもコードギアスルルーシュとスザク、ガンダムSEEDのキラとアスランの関係性を考えている間はめちゃめちゃ心が満たされていた。根っこが二次オタすぎる...

完全に余談だが、支部のそういう作品も読めるようになった。昔の苦手を克服してしまったし、容姿のコンプレックスの原因だと思い込んで忌避していたジャンルによって救われたのは、誠に皮肉である。

腐女子であろうとなかろうと、相変わらずコスメも服も好き。過食も克服してある程度まで太れば自然と自分に適した体重に落ち着くはず。それに、太っていてもピアノもあるし、BLやブロマンスを楽しめる心の余裕もあるから大丈夫!というメンタルで自粛の日々を過ごしている。

ジャニーズは、現場熱は落ちるかもしれないけれど、ゆるゆるオタクができればいいな、と思っている。もしかしたらしれっとオタ卒してるかもしれない。流れに身を任せて楽しめればいいな。

 

摂食障害って、骨と皮だけの状態になった拒食症とか、大量に食べて全部吐く過食嘔吐が主に知られているけれど、私みたいな 吐かないけれど太ることに対する嫌悪感が異様に強い・だけど大量に食べてしまう、、、という症状も含まれていると思うんです。体型もガリガリというよりはむしろぽっちゃりだったり。私がそうです。意外といるんじゃないかな...

 

これを読んでくださった方の中で私と同じような悩みを抱えている方の、何かのきっかけになれたら幸いです。

 

おしまい